医療(眼科における視機能活用支援)

POINT

眼科を受診しましょう

病名と状態を把握するために

治療できるか確認するために

さらに悪くしないために

他の病気の早期発見・治療のために

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市町村民税235,000円未満の身体障害者手帳の交付を受けた者を対象として、その障害を確実に除去・軽減するための手術等の治療に対して、自己負担上限額を定めている制度のことです。視覚障害者に対しては、白内障の手術や角膜移植手術等が対象となっています。自立支援医療制度は、18歳以上では更生医療、18歳未満では育成医療という名称で取り扱われています。

一度失われた細胞や組織を再生することにより、機能回復を図る医療のことです。世界の研究室の中では、iPS細胞やES細胞をもとにして様々な細胞や組織が再生できるようになっています。しかし、実際のヒトに応用された事例はまだ数える程でしかありません。現在は、まだ安全性を確認している段階で、明らかな効果を得た実例は数少ない状況です。今後の挑戦的な試みによって様々な可能性が期待されていますが、一つ一つ慎重に確認しながらの前進が必要とされています。

光を機械で受けて信号化したものを視覚に関わる神経に伝えることで、失われた視覚を取り戻そうとする技術を人工視覚と言います。現在最も多く使われているものは、眼鏡型のカメラで撮影した映像を電気信号に変えて網膜を刺激するというものです。最高でも0.03くらいの視力しか得られておらず、感じられる視覚像も光点の集合にすぎません。日本で開発されてきたものは、安全性が高いものの解像度は高くはありません。今後の改良が期待されます。

点眼薬等による眼圧降下治療により、進行が予防可能な視神経の病気のことです。多くは、長時間をかけて視野が不規則な形に狭窄します。緑内障と診断されても生活上の不便が生じないことも多く、放置されることで視覚障害に至る人がいます。高齢者に多く、現在、日本人の40歳以上の20人に一人が緑内障と言われています。一度失われた視野は治療によっても回復しないため、早期発見・治療が必要です。

目の視細胞が次第に壊れ、働かなくなる遺伝性の病気です。典型例では、初期に視野が狭くなり、中心部に至らなければ視力はそれほど下がりません。症状と進行の速さには個人差が大きく一概には言えませんが、暗がりで見えなくなる夜盲が特徴的です。日本では視覚障害の原因疾患の第3位となっています。周りが見えにくいので、移動の際の困難が比較的早い時期から問題となります。

白濁した水晶体を超音波メスで粉砕、吸引し、人工眼内レンズで置き換える手術です。水晶体の硬さや水晶体を支える組織の丈夫さには個人差が大きく、比較的安全性の高い手術ですが、まれに人工レンズが入らない場合もあります。また、術後にレンズを置いた膜が濁り、レーザー治療が必要になることもあります。

糖尿病網膜症などの網膜に出血をきたす場合や網膜に穴の空いているときなどにレーザーを用いて行う網膜を焼く手術です。血流の状態が変わるとともに、血液不足の部分から出る血管増殖因子を減らすことで、病変の進行を抑える効果があります。その結果、網膜のむくみが取れて視力が改善する場合もありますが、レーザーで焼かれた部分は瘢痕化し、神経の機能を失いますので、全体的に暗くなる、眩しさが強くなる、視力が下がるという場合もあります。

眼球内部は硝子体(しょうしたい)というゼリー状の透明な組織で満たされています。ここに血管が生えてきて出血した場合や網膜が繊維質の膜によって引っ張られていたりする場合に、直接これらを取り除くために、硝子体そのものを取り除くことがあります。透明な組織を高精度に扱わなければならないので、高度な技術が必要です。最近では、手術機器の進歩により、安全性が向上し、手術件数が増加しています。

緑内障は、視神経が損傷するため、視野欠損が回復することはありません。したがって、緑内障の治療は早期発見と点眼治療が重要です。しかし、点眼薬で進行を防止できなくなった場合、眼内の房水の循環をよくする手術を行う場合があります。緑内障の術後は、とくに感染症が起こらないような管理が必要になります。清潔にして、目をこすらないように十分に気をつけましょう。

ステロイドは、体の中で作られる特定の共通した構造をもつ一連の物質のことです。ステロイドにはホルモン作用をもつものがあり、これをステロイドホルモンと言います。ステロイドホルモンのいくつかには、炎症を強く抑えるはたらきがあります。それを抽出したり、類似した物質を合成したものがステロイド剤です。点眼薬として頻繁に使用されていますが、もともと様々な生理活性をもつ物質なので、効果も抜群なかわりに、副作用も少なくありません。

VEGFは、血液が不足するとある種の細胞が分泌する伝達物質です。加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などでは、VEGFが分泌されています。VEGFは、新たな血管を延ばさせるはたらきをもちますが、無秩序に伸びた血管は壊れやすいため、出血を引き起こします。また、房水の排水溝に血管が生えると治療困難な緑内障になります。VEGF阻害剤は、VEGFのはたらきを止めることで、様々な病気の進行を止めることができます。

視線を向けたとき、視線方向からの光は、網膜の中心窩という場所に届いています。中心窩が病気で機能しなくなると、見ようとして視線を向けると、そこが見えないという厄介な状態になります。そのような場合、故意に視線をある方向にずらして、壊れた中心窩よりも感度の良い網膜の部分で見るようにすると、ややよく見えます。このような視線の使い方を偏心視といい、その練習が偏心視訓練です。

眩しいことを医学用語で羞明と言います。羞明には見えにくいという面と不快だという面の二つの局面があります。グレアという似た言葉があります。グレアは眩しく見えるという感覚を指す場合と眩しい対象の属性を指す場合の両方で使用しますが、羞明は前者のみで使用します。普通の人が眩しいとは思わない環境でも眩しい場合を病的羞明と言い、様々な眼疾患で生じてきます。しかし、羞明を生じるメカニズムはまだほとんど解明されていません。

見たい物へ視線を向けるための目の動きのことです。両眼が協調して動かせなくなるとものが二重に見えてしまいます。脳梗塞などで目を動かす筋肉が麻痺を起こしたり、視野が極端に狭くなって両眼の協調が難しくなると、重なって見えたり、二重に見えたりすることがあります。片目を隠さないと生活が困難になるような重症の場合では、障害認定や年金判定に配慮されます。

目が揺れていることです。生まれつき重度の視力低下があると、目が揺れるようになることがよくあります。そのような場合は、必ずしも見ているものが揺れて感じるわけではありません。しかし、大人になってから病気で目が揺れるようになると世界が揺れて見えてしまいます。これを動揺視といいます。多くは、耳鼻科や脳外科の疾患により生じます。揺れて見えるときの読書は、文字が大きい方が楽です。

文字が見えるけれど読めないという高次脳機能障害を失読症と言います。そして軽度の失読症のことを難読症と言います。しかし、これに限らず、様々な理由で文字が読みづらいという状態を広く意味して難読症と呼ぶことがあります。近年しばしば使われるのは発達障害に伴うもので、視力は正常範囲なのにもかかわらず、読書が苦手な場合です。眼球運動に異常があっても読書が苦手になりますが、原因を特定することが難しいこともしばしばです。

大脳の損傷が原因で生じる全盲状態のことです。眼球に問題はなく、対光反応は損なわれません。脳梗塞や脳出血が脳の後部で広範囲に生じた場合や、低酸素脳症などに伴って生じることが多いです。皮質盲は、ある程度改善することも多いですが、様々な合併症を残す場合が少なくありません。

手を伸ばしてもそれが見えているところとは異なる場所に行ってしまう状態のことです。手の動きの元になっている頭の中に描かれた空間と目に映る空間は通常一致しています。しかし、見え方に歪みを生じたり、眼球運動が麻痺したり、脳内の異常から頭の中の空間に異変が生じることで発生します。