日常生活訓練
日常生活訓練は、身辺管理と家事を安全に行うための訓練です。
視覚障害者にも使用できる日常生活に便利な用具がたくさんあります。
身辺管理(食事、トイレやお風呂、身だしなみなど)と家事(掃除、洗濯、裁縫、買い物、金銭管理、調理など)のやり方を習いましょう。
日常的に使う携帯電話や音声CDの使い方も日常生活訓練の中で行われることがあります。
クリックすると説明文が表示されます。
視覚障害者自立訓練(機能訓練、生活訓練)
障害者総合支援法に定められたサービスの一つです。自立した日常生活や社会生活を送れるように身体機能や生活能力を向上させることを目的として行う訓練です。その内容は、点字、歩行、保有視力の活用、家事、福祉用具および情報器機の使用などです。視覚障害者が利用している障害者支援施設で、それぞれの自立計画に従って訓練を行います。
携帯電話
携帯電話は、視覚障害者にとって非常に役立つ道具でした。この出現により、音声読み上げ機能を使って誰から着信があったかを知ったり、メールを送受信することができるようになりました。大きな文字に設定したり、少ない操作で通話したりすることができました。拡大鏡や音声時計、ICレコーダーの代わりに使うこともできました。しかし、スマートホンの普及により使用者は減少傾向にあります。
視覚障害がある人の身だしなみ
視覚障害者が身だしなみを整えるのは大変です。それを乗り越えるためのさまざまな工夫があります。適切な服装ができるように服を管理する方法があります。整容動作(化粧、整髪、髭剃り、手指の清潔など)を行うときの工夫があります。
おしゃれ
服装や化粧などを洗練したものにしようと気を配ることです。視覚に障害があると、色の識別や鏡での確認などに困難が生じ、以前のように楽しむことができなくなることがあります。工夫や周囲の人の助けによってできることもあります。おしゃれができないことで、外出を避けてしまう視覚障害者もいます。
化粧
社会生活を円滑に行うための身だしなみの一つで、主に顔の印象を整えるために行われます。TPOに合わせることが重要であり、特に女性では生活上大きなウエートを占めています。視覚に障害があると、それまでと同様には行えなくなるため、工夫が必要となります。化粧ができないことで、外出を避けてしまう視覚障害者もいます。化粧品会社等による視覚障害者向け化粧教室を利用することができます。
調理
視力の程度や経験の有無により様々なレベルのものがあります。電子レンジなどを利用し、包丁などの刃物を使わず、火も使わない簡単な調理をすることもあります。最近では電磁調理器(IH調理器)を使うことも多いです。一方、本格的な調理訓練を受けることで、包丁を使用し、煮物・焼き物などの本格的な調理ができる人もいます。また、糖尿病などで食事に制限のある視覚障害者では、カロリー等に配慮が必要な場合があります。
視覚障害者の食事に対する配慮
食べることは大きな歓びであり、楽しみです。しかし、視覚に障害があると、どんなものが出されているかや、主食やおかずの配置等がわかりにくいので、スムーズにおいしく食べることが難しくなります。この配置などの説明は、個々人に合わせて行うべきですが、トレイの左右、手前・奥に分けての説明や全体を時計に見たてて「何時の位置に何がある」といった説明がよく用いられます。食欲をそそるような具体的でわかりやすい説明も大事なことです。
