感覚訓練

POINT

視覚活用が困難なときは他の感覚が情報源です。

触覚、聴覚、嗅覚などで視覚を補います。

これらを有効に活用するための訓練があります。

しかし、それをしている施設はあまり多くありません。

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視覚に障害をもつ人のための訓練の基本的な考えの一つは、低下した視機能を他の感覚で補うことです。中でも、触覚と聴覚は大きな役割を果たします。触って硬貨の種類を知り、音を聴いて信号が変わったことを知るなどはその例です。歩行訓練や日常生活動作の訓練では訓練を通して感覚刺激を認知し、知覚能力を覚醒させ、保有視機能と新たな感覚の統合をめざします。この感覚統合の部分を独立した訓練項目としたものが感覚訓練です。

視覚活用が困難になると、本人が怖がったり、周囲が過剰に配慮して、運動やスポーツから遠ざかりがちです。視覚障害があってもやりやすい運動や、実際に行われているスポーツ種目を体験してもらうことで、自信を取り戻すことにつながります。地域で活動しているグループを紹介し、参加する道を付け、実際の生活に取り入れていくことも重要です。

歩行訓練や日常生活訓練、運動訓練・レクリエーション等を保有視覚を用いて行うものをこう言います。実際に歩く場面に合わせて遮光眼鏡の選択をしたり、レンズや拡大読書器を使う訓練等も含みます。あえて、視覚を使用しないほうが効率良く行動できるという体験や視覚だけでなく聴覚や触覚を併用することの重要性を体験することも行います。

作業するために必要な情報を視覚から得られにくくなった場合、聴覚を使って情報を得るための練習が必要になります。聴覚を通して得られる情報は言語だけではありません。反響音などから障害物の存在や空間の広がりなどを把握するのにも役立ちます。また、人や車の流れから信号の変化等の交通状況がわかることもあります。

作業するために必要な情報を視覚から得られにくくなった場合、触覚を使って情報を得るための練習が必要になります。しかし、能動的に触わることで「それが何なのか、どうなっているのか、どうすればいいのか」等を知り、実際に作業するのはそう簡単なことではありません。個人差が大きく、かかる時間・内容・効果は異なりますが、必要な訓練です。

触覚は体性感覚に含まれる感覚の一つで、皮膚、粘膜、筋、腱、などにある受容器の興奮による感覚の総称です。現代では幅広く用いられており、広義には、触知覚、触運動知覚なども含まれます。狭義の意味では「皮膚表面に与えられた軽い機械的刺激による感覚のみ」を触覚と言います。

主に手で触って、触覚を活用して感じ取り、詳しく調べて事物の状態や変化を客観的に明らかにすることを触察といいます。いわゆる「観察」が視覚活用を前提としているのに対して、「触察」という用語が視覚障害教育や理療の分野で用いられています。事物を効率よく的確に把握するためには、事物の形状や性質に応じた手指の使い方があり、教育やトレーニングが重要となります。

ざらざらした感じ、すべすべした感じなどのように、触れて検出される質感の違いの識別に関する知覚のことを触知覚と言います。また触知覚に加えて、筋肉や腱などで手足の力の入れ方を感じることを触運動知覚といいます。目を使わなくても、自分の身体各部の位置や動き、運動の方向、四肢にかかる力や重さを知ることができ、食事をしたり、簡単な機械を操作したりする作業が、視覚を使わない状態でもできるのは、これらが基盤となっているからだと言われています。

微細な発泡剤(カプセル)を塗布した特殊な用紙(カプセルペーパー)を使い、点図原稿などを立体形状にコピーできる視覚障害者支援システムです。凸で表したい原稿を複写機でカプセルペーパーにコピーし、専用現像機(ヒーター)で熱を加えると、文字などの黒い部分のカプセルが膨張し、その部分が浮き上がります。墨字や点字、グラフ、地図などを触覚情報として提示できます。

浮き出し文字や点字などの読書材料を指先等で触覚を使って読むことを触読といいます。浮き出し文字は、適切なものであれば、一文字ずつ読み取ることができます。しかし、文章として読み進めるのには適していません。一方点字は、墨字に比べると情報量が少ないので、効率は落ちますが、熟達すると1分間に墨字400文字以上の情報を読み取ることができるようになります。

紙などに凸点を並べて描いた絵や図のことです。触覚を活用して視覚障害者が絵や図を理解するために用います。近年は点字教科書等にも点図が掲載されるようになりました。かつては亜鉛版に凸刻して印刷する方法が中心でした。点図を作成するソフトウェア「エーデル」が開発され、点字プリンターで出力することができるようになりました。触覚で理解しやすくするためには、作図において様々な配慮が必要です。

触図とは、一般に手指で触ってわかる図や絵のことをいいます。触図には、点、線、面などの図や絵の構成要素が凸状あるいは凹状になっていることと、図や絵の構成要素が異なる触感で捉えられるようになっていることが求められます。触図を作成する方法には、点図による方法のほか、触素材を貼り付けて作成する方法、立体コピーによる方法、サーモフォームによる方法、レーズライターによる方法、紫外線硬化樹脂(UV)インクによる方法などがあります。

視覚障害者が安全かつ円滑に移動できるように、駅の構内や公共施設等の概要を手で触って捉えることができる案内図のことを総称して触知案内図といいます。日本から「ISO 19028 アクセシブルデザイン-触知案内図の情報内容、形状及び表示方法」という国際規格が提案されています。この中には、情報項目の原則、寸法と設置方法、表示方法、用いる素材などの規格が示されています。

視覚障害者が触覚を活用して空間認識を行うための地図を総称して触地図といいます。「触知地図」や「触覚地図」とも呼ばれています。 道路や建物などの事物を凹凸のある線や網目模様で表し、凡例や注記を点字で表記しています。点図や立体コピー、サーモフォームを用いて作成されます。レーズライターで作ることもできます。

印刷された(書かれた)文字を、振動するピンで指頭に伝え、触読できるようにした携帯用の文字読み取り器のことです。慣れれば、6~21ポイント程度の文字が読めます。1971年にアメリカで開発され、シンプルなアルファベットを使用する欧米に急速に広まり、1万台を超えました。より複雑な漢字を使っている日本でも、約500台も使用されました。しかし、パーソナルコンピュータの出現により、現在は残念ながら製造が中止されています。

仮名が印字されるタイプライターのことです。平仮名とカタカナのものがありました。ブラインドタッチで打つことができるので視覚障害者に適した用具でした。点字以外の手段で晴眼者と共通の文字で意思を伝えるために使用されました。松井新二郎は1963年に日本盲人カナタイプ協会を組織し、カナタイプの普及と指導者養成事業を開始、修了者の働く場として録音カナタイプ作業所を設置しました。しかし、パーソナルコンピュータの出現により、英文タイプライターと同様にその役割を終えることとなりました。

視覚障害者が触って文字や図を書いたり、認知したりすることができる凸線を描くための筆記用具のことです。特殊な用紙を弾力性のある下敷(シリコンマット等)の上に置き、先の硬いボールペン等を使って線を描くと、用紙に書き表した線が凸状に盛り上がってきます。視覚障害者は、それを指先等で読み取ることができます。学校教育では、文字の形、算数・数学の図形・描画などの学習で利用されています。わが国では、「表面作図器」という品名で市販されています。

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